ひとくちに仏教と言っても、いろいろな宗派があり、お葬式などに行く場合には悩むもの。
しかし、宗派には歴史があり、その背景を知っておくと、意外に特徴を覚えやすくなります。
まず、日本には13派の宗派があるといわれますが、代表的なのは約10派。平安時代に伝わった密教と言われるのが、天台宗と真言宗。密教とは字のとおり「秘密の行」。
そのため、お寺と庶民の間にやや距離があります。檀家を持つお寺というより、観光のお寺などに多い宗派ですね。
両方の総本山、比叡山延暦寺、高野山金剛峰寺は大変有名です。
続いて、鎌倉仏教、ここから仏教は庶民のものになっていきます。お葬式の宗派に関わってくるのは主に鎌倉仏教。
大きく分けて農民のための「浄土系」と武士のための「禅宗」に分かれます。やや禅に近い宗派として日蓮宗があります。
浄土系は、浄土宗、浄土真宗が代表格ですが「念仏さえ唱えていれば救われる」というもの。これに対して禅宗(曹洞宗、臨済宗など)、日蓮宗は「行を積むことが大事」という考え方です。農業の場合、努力をしても力が及ばないこともありますね。逆に武士の場合、努力の結果が実になりやすい。
そういった理由で同じ宗教でも、やや解釈が異なっているのです。
とはいえ、仏教の基本は「人のため」。「こだわりを持たない」こと。本来の教義を考えると、作法などの方法はあまり気にしなくてもいいと言えましょう。